蜂蜜って何?

アカシア蜂蜜

アカシア蜂蜜

レンゲの花やツツジの花、身近な花を摘んで吸ってみた事がありませんか?
かすかに甘い花の蜜が蜂蜜だと思っている人は多いのではないでしょうか?
花の蜜は、蜂蜜とは別の物です。花の蜜は水分とショ糖でできています。
一方、蜂蜜はブドウ糖と果糖を主として有機酸・ミネラル・ビタミン・酵素等様々な成分でできています。

花の蜜はミツバチの体内で転化酵素を加えられて蜂蜜に変わっていくのです。ミツバチは花から蜜を吸って体の中にある蜜専用の胃に蓄えて巣箱に持ち帰ります。そして巣箱の中で待つ貯蔵係のミツバチに口移しで渡します。

口移し

口移し

この時、花から持ち帰られた蜜の中には約60%の水分が含まれている為、
そのまま蓄えておくと発酵が進み、お酒のようなものに変わってしまいます。
貯蔵係のミツバチは、受け取った体の中の蜜を 口から少しづつ糸のように引き伸ばしながら巣穴の中に蓄えていきます。そうしている間に蜜は巣箱の中の暖かい空気に触れて乾燥していきます。
10分も20分もかかって1回分の蜜を乾燥させると水分は40%くらいになり、粘りけがでてきます。

次は乾燥係の仕事です。
乾燥係はもうすぐ蜜を集めに出る若いミツバチで、巣箱の底に並んで力いっぱい羽根を振り、風を起こして巣箱の中の換気をします。乾燥係の役目は、一日中飛びまわれる強い羽根を鍛える練習にもなっています。
乾燥係の羽根の力で蓄えられた蜂蜜はみるみる乾燥し、3日もすれば水分20%の蜂蜜が完成です。

こうしてできた蜂蜜は巣作り係のミツバチがミツロウで薄い蓋をはり、何年でも一定の品質を保ったまま保管されます。

一匹の蜂が一生に集められる蜜の量

ミツバチ

ミツバチ

働き蜂の寿命は30日~40日程度。
産まれてから20日ほどは巣の中での仕事を受け持つので、外で蜜を集める期間は2週間くらいです。一度の採蜜量は多くても0.5g程度なので、20日間集めたとすると10gになります。

ただし、集めたばかりの蜜は半分以上が水分の為、巣の中で濃縮されます。
なので実際に蜂蜜として完成する量は4g~6g程度。
この量は小さめのスプーン一杯分ほどの量です。
その間に飛ぶ距離は約1万km。東京-サンフランシスコまで、太平洋を横断するほどの距離を飛ぶそうです。

300gの蜂蜜には60匹くらいの蜂の一生が詰まっているという事ですね。蜂も蜂蜜を食べて生きていますので、実際にはもっと多くの蜂の働きによって作られた物という事になります。

ミツバチの家族

女王蜂

女王蜂と働き蜂

ミツバチの家族には女王蜂・働き蜂・オス蜂がいます。
女王蜂は、一つの巣箱(約2~3万匹)に一匹だけしかいません。お腹の部分が働き蜂に比べて2倍くらい長いので、慣れるとすぐに見つかります。
そして巣の上をゆっくり歩く女王蜂の周りには絶えず5・6匹の働き蜂がつきそい、女王蜂の世話をしています。

大昔、一匹ずつでは弱くて小さいミツバチは、どうすれば厳しい自然の中で共に生き延びていけるかを、みんなで考えました。
その結果、卵を産むのを一匹のメス蜂にまかせました。それが女王蜂です。
そして、他のメス蜂は卵を産むための産卵管を巣箱を守るための刺し針に変え、働くことにしたのです。

女王蜂というと、沢山の部下を従えて楽しく暮らしている女王様のように思われます。
しかし本当は“分業”により卵を産むのを専門としたメス蜂です。 女王蜂は花が沢山咲いている季節、多い日には一日に2,000個もの卵を昼も夜も産み続けます。
不思議な事に、一日にいくつ卵を産むかは女王蜂が決めるのではありません。

“今、花盛りだから沢山卵を産ませよう”
“梅雨になるぞ、あんまり産ませちゃいけない”
“夏が近づいてきた、卵を産むのをやめさせよう”

こんな相談が働き蜂の間で交わされ、女王蜂の食事の量を調整しているのです。
食事を多く食べさせると沢山の卵を産み、少し食べさせると少しの卵を産むのです。花のない季節に大勢の仲間が産まれてくると、みんな一緒に飢え死にしてしまうことを働き蜂は知っているんですね。

オス蜂

オス蜂

では、オス蜂は何をしているのでしょうか?
働き蜂の1.3倍、重さは2倍あるオス蜂は、一つの巣に数匹しかいません。

そして、何一つ働きません。

働き蜂から蜂蜜を貰って食べ、空を飛ぶ練習をします。 舌が短いので花から蜜を吸うことはできないし、お尻に刺し針も持っていないのです。

オス蜂の出番は巣別れの時だけです。新たな女王蜂が産まれる時期の、大空での新婚旅行のときだけなのです。それも最も強い一匹だけが女王蜂と結ばれるのです。そしてオス蜂は全ての力を使い果たして空の上で死んでいきます。女王蜂と結ばれなかったオス蜂は、時期が過ぎれば巣から追い出されます。

なぜ六角形?

ハニカム構造

ハニカム構造

ミツバチの巣は、巣箱の中に板状に並んでいます。一枚一枚の巣の両面には、直径6mm程度の六角形の巣穴がぴったりとキレイに並んでいて、その中では蜂蜜が貯蔵されたり、蜂の子が育てられたりしています。

では、なぜ蜂の巣は六角形なんでしょうか?
例えば、丸い巣穴だったり八角形の巣穴だったら、上下左右に繋いでみると
沢山のすき間ができてしまいます。四角や三角は、すき間はできませんが、幼虫が困ってしまいます。きまった広さを無駄なく使うことができ、しかも円に一番近い形は六角形だとミツバチはちゃんと知っているんですね。

六角形というのは、最も少ない材料で最も丈夫な構造の巣を作れる形です。また、風通しにも適した形であることが数学的に証明されているそうです。しかもその穴はわずかに(4~5度)上を向いています。ハチミツが流れ出さないように、ちゃんと工夫しているんですね。

巣は、巣作り担当の若いミツバチが集まって触角で寸法を測りながら、自分たちの体で作られるミツロウとだ液を混ぜ合わせて作っていきます。そして、一枚の巣(巣穴約6千個分)をわずか一昼夜で完成させます。